PEOPLESeptember 5, 2023

Slogan Member’s Interview-新卒入社の事業責任者が語る、新規事業への想いとは

2018年に新卒でスローガンに入社し、2部署の部門長を経て、入社3年目で新規事業「G3」を立ち上げ、事業責任者を務めている佐野。活躍の背景には、どのような経験があったのか?今に繋がる学生時代の原体験と新規事業にかける想いについてインタビューしました。

教育に興味を持つきっかけになった、学生時代の原体験とは

まず、学生時代はどのようなことをして過ごしていたのか、教えてください。

大学・大学院のときは、教育に興味があったので教育に関係する様々な活動をしていました。具体的には、当時10名程度の規模の教育系スタートアップでの長期インターンや、子ども向け科学教室の講師、学生NPOの立ち上げ、シード期の教育系スタートアップで新規事業立ち上げなどに取り組んでいました。また、理系だったので日々の研究・実験もあったのはもちろん、陸上サークルにも所属し大きな大会に出場したりもしていました。

教育に興味を持つようになったのは、何がきっかけだったのですか?

高校時代に原体験があります。幼少期のころの私は、周囲からすると個性的な子どもだったようで、周りに馴染めなかったり、人と違うことによって疎外感を覚えたりと、辛い思いをすることもあったのですが、高校に入学してから大きな変化がありました。スーパーサイエンススクールに指定されている理系の高校だったのですが、同級生は個性的な人が多く、「人とは違うこと、変わっていることが価値である」という考え方がある環境でした。そこで多くの友人ができて関係を築いていくうちに、家庭環境等で理不尽な目に遭っていたり、人には言いづらい悩みを抱えている人がいることを知りました。私自身は家庭環境には恵まれていましたが、学校で周囲に馴染めず孤立していたことによって「自分が一番辛い」と思い込んでいたので、世の中にはもっと辛い想いをして傷ついている人がいることを高校で初めて知り、衝撃を受けたのです。その経験から「子どもは育つ家庭を選べないので、子ども自身を強くするしかない」と考えるようになり、教育に興味を持ちました。

そして、大学入学後に取り組んだNPOの活動において、不登校や発達障害、貧困や虐待など不利な立場にいる人たちに直接出会ったことによって、そういった人たちを助けたいと強く思い、人や教育という領域により一層関心を持つようになりました。

官僚・大手企業を見た上で、最終的にベンチャーへ

どのような就職活動を行っていたのですか?

最初は官僚を目指していました。大学時代のスタートアップやNPOでの経験から、規模の小さい組織ではカバーできる範囲が狭く、社会へのインパクトが小さいのでは?と感じていました。NPOの活動の中で官僚の方と仕事をする機会があり、社会のために働く姿に純粋に憧れたことも理由の一つですが、根本的な教育課題を解決するには、社会に対して影響力のある公的な機関に行く方が良いのではと思い、志望しました。

ただ、官僚の選考を受ける中で考えが変化しました。私個人の解釈ですが、官僚の仕事というものは、地方自治体や民間企業、NPO等が取り組んだ事例を集めて国の予算や法案に反映していく仕事で、いわば全国にある0→1や1→10の事例を集めてそれを100にスケールさせていく仕事だと思いました。そうであるなら、材料となる0→1や1→10の事例をつくることも強化しなければ、社会に大きな変革を起こすことはできないのでは?と感じたのです。社会を変えるためには、一つひとつの事例を作り上げる側と、その事例を集めて大きくする側という両方の役割がどちらも必要であると捉えると、後者は公的な機能として既に存在しているので、担い手となる人が少ない事例を作る側に行く方が私自身の学生時代の経験も活かせると考え、官僚は辞退し民間企業を探し始めました。

民間企業はどのような軸で探していたのですか?

まずは人気の企業や興味がある企業を見てみようと考え、コンサルや総合商社、大手教育系事業会社や人材系メガベンチャーなどのインターンや選考を一通り受けました。結果としては、それぞれ魅力を感じた部分はもちろんありましたが、その会社の事業を通じて社会構造を大きく変えられそうか、若手のうちから主体的に事業をつくることに携わり社会課題を解決できるか、といった点において確信を持つことができませんでした。

一通り見てから改めて考えた結果、0から1の事例に取り組むことで社会変革の起点をつくることができるのはやはりスタートアップ・ベンチャーだと私は感じたため、そういった場所でこれまで培ってきた経験や能力を活かして、社会課題の解決に当事者としてコミットしたいと思いました。人気企業には私が行かなくても自ずと優秀な人がたくさん集まってくるでしょうし、人が足りないことが成長のボトルネックになっている場所に行ってこそ、自分の価値が発揮できるのではと思ったのです。そして、就職活動をしている友人に相談したところGoodfindを紹介してもらい、そこで初めてスローガンと出会いました。

大事なことは、会社のミッションと自分が実現したいことが合っているか

いろいろな選択肢を見た上で、自分が行くべきはスタートアップ・ベンチャーだと認識したのですね。最終的にスローガンへの入社を決めた理由は何だったのですか?

就活の軸として重視していた3つの点を満たしていたからです。一点目は興味がある人材・教育という領域で事業を展開していて、ミッション・ビジョンに共感できること、二点目が社会課題の解決を目指していること、三点目が20代のうちから活躍できることでした。特に一点目と二点目を重視していて、自分が貢献したいと思っている人たちにアプローチできるかは外せない点でしたし、学生の頃から「仕事とは他者や社会のためにやるもの」と考えていたので、顧客志向や社会貢献性があるかは非常に大事なポイントでした。

スローガンは受けた企業の中で最も社会に目を向けていて、事業を通して人・教育という領域の社会課題解決を目指していると感じ、ミッションに強く共感したことが決め手になりました。内定をもらった企業の中には魅力的なポジションを提示してくれた企業もありましたが、キャリアパスやポジションよりも、自分のやりたいことができるかを重視していたので、スローガンへの入社を決めました。

入社1年目で部門長、3年目で新規事業の責任者に

入社後はどのような業務を経験してきたのですか?

初めに新卒採用支援事業であるGoodfindのキャリアアドバイザーを数か月経験し、その後Goodfind会員の集客を担う部署に移り、マーケティングやセミナー講師などを経験しました。そこでの成果が認められて、入社1年目で部門長になりました。早い段階で新規事業立ち上げのお話はもらっていましたが、コロナ禍で一度ストップし、面談や学生向けイベントのオンライン化を進める部署の責任者を務めました。その後、オンライン化の実現が一定達成できた入社3年目の中盤頃から、新規事業立ち上げに向けて動き出しました。

”一人ひとりが持つ個性を社会に還元したい” 新規事業にかける想い

G3の立ち上げに至った経緯について、教えてください。

スローガンで新規事業を立ち上げる際のステップはいくつかありますが、私の場合は「Goodfindのデータベースを使って何かできないか」という経営陣から与えられたテーマがあっただけだったので、Goodfindユーザーやクライアントへのヒアリング等を行いながら事業の構想を練っていきました。そして、半年ほどの検討を経て、ビジネスとしての成長性や解決すべき社会課題の存在という観点から第二新卒領域での事業がいいのではと考え、入社3年目の3月に事業を立ち上げました。

抽象度の高いテーマから事業の仮説を立てていき、立ち上げに至ったのですね。G3が解決したい課題や目指していることについて教えてください。

G3は、一見すると社会人3年目までを対象としたキャリア支援サービスに見えますが、長期的に目指しているのは「一人ひとりの豊かな個性が社会に活かされていくことによってイノベーションが生まれ、社会が発展すること」です。人々が就職して社会に適応していく中で、「生きていくためにお金を稼がなきゃ」「やりたいことではないけど、将来を考えると安定のルートに乗った方が良いのでは」といったような必然性に迫られる場面が増え、個性が発揮できなくなり、人の可能性が失われるのが第二新卒のタイミングであると考えています。そこに対してアプローチをすることによって、個性がなくなることで社会発展が阻まれてしまうという課題を解決したいという想いを持っています。

私は、学生時代の経験を通して、所謂優秀層と言われる人や、不登校児・発達障碍児など、様々な個性を持った人と数多く出会ってきましたが、自身の原体験から「それぞれが持っている尖った個性が社会に還元されるようにしたい」という個人のミッションがあり、それがG3の事業と重なっています。

スローガンだからこそできる社会貢献×新規事業へのアプローチ

新規事業の立ち上げを経験できる環境は他にもあると思いますが、経験者の佐野さんが思う、スローガンで新規事業を立ち上げることのユニークネスはどのようなことでしょうか?

単に「市場が伸びているから」「事業として成長するから」という理由だけで事業を始めるのではなく、「社会課題の解決に繋がるか、社会的な意義があるか」を重視している点だと思います。もちろん事業がビジネスとして成立するかも大事な点ではありますが、本来あるべき社会の状態と現状にギャップがある領域の課題解決に取り組むことには大きな意義があると考えています。スローガンが展開している事業は、向き合っている課題の複雑性が高く、一朝一夕で解決できるものではないですが、だからこそ自分たちが意志を持って取り組む価値があると思います。急速に伸びる市場でのビジネスは、他にやる人がたくさんいますから。

事業成長と社会貢献を両方実現できるというのは、スローガンならではですよね。

はい。G3もそうですが、難しいけれど長期的に取り組めば解決できるテーマに愚直に向き合っていくことによって、当たり前と思われているものを変えていく、社会の構造自体を変えて市場を作り出していく、というのがスローガンの事業づくりの特徴だと思います。

最後に、今後G3が目指すところと、佐野さん個人の目標について教えてください。

長期的にはG3を100億円規模の事業に成長させていきたいです。エージェントサービスに限定せずに、例えばキャリアについて学べる記事の配信やイベントの開催といったように、人々の考え方・行動を変えるようなコンテンツの企画といったキャリア教育領域などにも事業を広げていきたいと考えています。

私個人としては、例えばNPOを立ち上げるなど、将来的には何かしらのソーシャルビジネスを創りたいと思っています。元々社会課題の解決に興味があるので、スローガンでの経験を活かして、ソーシャル領域で課題解決をしながら事業を伸ばせる人になりたいです。

佐野 雄図G3事業部 事業部長

千葉県立船橋高校の理数科を卒業後、早稲田大学先進理工学部物理学科へ進学。その後東京大学大学院に進学し、生物物理学を専攻し人工細胞の研究に従事。高校時代から教育に興味があり、学生6年間教育関係の活動を続ける。「自分らしく必死に生きる人を支援したい」という価値観のもと、不登校児などへの科学実験教室の講師や、学生NPOや教育系スタートアップ企業の新規事業の立ち上げを経験。学部3年次からは文部科学省の総合事務職を志望していたが、官庁訪問で30人以上の官僚と会った結果、民間のベンチャー企業などを志望するようになる。2018年4月にスローガンに入社。