PEOPLEApril 20, 2022

クライアントに深く入りこみ、採用成功に導く「影の立役者」とは

クライアントの採用成功を目指し、戦略立案から実行までを担うリクルーティングパートナー。毎年継続してお取り組みいただくクライアントも多い中、その要となっているRPとはどんな仕事なのか。その難しさややりがいをRP部門マネージャーに聞きました。

入社6年目、部門マネージャーに聞く

私は大学4年時から内定者インターンとして学生セミナーの企画・運営に携わり、2017年の4月に入社しました。入社後はGoodfind(スローガン運営の新卒学生向けキャリアサービス)のキャリアアドバイザーとして一年ほど学生とのキャリア面談を担当していました。2022年1月からはクライアント企業の採用プロジェクトに伴走するリクルーティングパートナーの部門長を努めています。現在は十数社のクライアントを担当しながらチームメンバーのマネジメントをしています。

「採用成功」のため、クライアントに伴走する

早速、あまり耳馴染みのない「リクルーティングパートナー(以下RP)」とはどんな職種なのか。一般的な職種と役割を比較しながら説明していただきました。

RPとはクライアントの採用プロジェクトを推進していくプロジェクトマネージャー的存在です。契約後のクライアントをサポートするというと受動的なイメージを持たれがちですが、RPの実態はカスタマーサクセスやコンサルティングに近いです。クライアントからのお問合せやクレームに受動的に対応するのではなく、先回りして課題の芽を摘んだり、より成果を出すために施策を追加したりと、プロジェクト全体を俯瞰しながら長期的かつ能動的な立ち回りをします。これは、私たちRPの目的が「発生した課題の解決」ではなく「クライアントの採用成功」にあることを意味します。

社内外を巻き込んでプロジェクトを推進していく

RPは採用プロジェクトに誰を巻き込み、どう進めていくのでしょうか。プロジェクトの流れに沿ってRPの特徴や難しさを語っていただきました。

プロジェクトの進め方は、コンサルティングのプロジェクト形式のようなものをイメージしてもらうとわかりやすいと思います。といってもただオーダーに沿った戦略を立てて資料にして終わり、ではなく経営陣と採用戦略について議論する時もあれば、説明会資料のブラッシュアップなど細部の細部まで手を動かす時もあり、あらゆるレイヤーに深く関わっているというところが特徴だと思います。

プロジェクトはまずセールス担当が「そもそもクライアントの課題はどこにあるのか」「スローガンならどんなお取り組みでどんな成果が出せるのか」を具体的にすり合わせるところから始まります。その後バトンを引き継ぎ、1年間クライアントに伴走しながらプロジェクトを推進していくのがRPです。

クライアントとの合意形成ができたら、ゴール達成のために必要な社内関係者を巻き込んでいきます。お取り組み内容によりますが、プロジェクトの社内関係者は新卒採用事業部の全部門といっても過言ではないと思います。人材紹介であればキャリアアドバイザーと連携し、説明会の集客や企画セミナーであればメディア部門やイベント部門と連携します。あるいは、企業ブランディングへのご期待があればブランディング部門の力を借りることもあります。

各社の採用課題に応じて柔軟に施策を組み合わせて提案するコンサルティングセールスはGoodfindの特徴の一つでもあり、クライアントの数だけプロジェクトや戦略が存在します。その上、ほとんどのプロジェクトは一年かけて進めていくので、「昨年同時期と市況感が大きく変わった」「実際に進める中で採用フローに課題が出てきた」などの予期しきれないトラブルや課題は次々と出てきます。

このように決まった型を持たず常に状況が変化し続けるプロジェクトを、クライアントとの振り返りや戦略の修正を繰り返して採用成功に繋げていきます。

プロジェクト成功の鍵は「全員で同じ景色を見る」こと

長期間にわたり多くの人が関わる難度の高いプロジェクト。成功に導くために松尾さんが意識している「クライアントとの向き合い方」と「社内外の協力を引き出すコツ」を伺いました。

先ほどお話ししたように、各部門と連携しながらより良い出会いを生み出せる企画はないか、よりクライアントの魅力を伝える新しい切り口はないかなど、常にPDCAを回しています。時にはクライアント側の採用プロセスの中で改善できるポイントがないかを一緒に考えることもあり、「ご契約いただいているお客様」というだけでなく「同じ船に乗った仲間」というスタンスで向き合っています。

そして、このように多くの部門、人が関わるプロジェクトの成功を左右するのが「全員に同じ景色がみえているか」ということです。Goodfindはビジネス構造上、顧客(新産業領域の企業)と利用者(学生)という二つの立場があります。両者の利害は対立しがちに思われますが、結局は「良いキャリアを歩みたい」「良い人を採用をしたい」という双方のニーズが噛み合うところに「入社」というご縁があるはずです。

クライアントのニーズから端を発したセミナーであれば、目の前でやっていることは企業側の成果に偏って見えるかもしれません。しかし回り回って学生にもたらされるメリットを常にセットで考えていれば、両者にとって良い影響がある施策にたどり着くことができます。クライアントや社内との「この施策はみんなにこれだけのメリットがある」という合意形成を積み重ねて少しずつ協力してくれる仲間を増やしていきます。

クライアントに深く入り込み、共に成長する

Goodfindのクライアントの中には、毎年継続してお取り組みいただいている企業も多くあります。その大きな要因の一つとなっているRPのやりがいとクライアントに深く入り込める理由とは。

その年のプロジェクトが成功するかどうかに、翌年もお取り組みいただけるかがかかっているので重い責任を感じると同時にやりがいも大きいです。長期間に渡ってクライアントの採用に深く入り込んでいくことになるので、クライアントとの信頼関係や連帯感は非常に強くなります。「深く入りこむ」と一口に言っても、長期にわたって伴走したり、経営陣と対峙し採用の上流にも関わったり、また一方で採用の細部の細部までご支援したりとさまざまな「深さ」があります。これは、スローガンがお取引しているクライアント属性の特徴として、新卒採用を特に重視していたり新卒の活躍のフィールドが大きいという性質が強く影響しています。

深く入りこむからこそ感じられるクライアントの変化もあります。ご支援当時、社員数20名ほどのクライアントで新卒一期生5名の入社が決まりました。その年、そのうちの一人が全社MVPとして表彰されていてとても嬉しかったことを覚えています。こういった例だけでなく、スローガンのご支援で入社した新卒社員が新規事業を立ち上げたり、未上場時期からご支援していたクライアントが株式上場を果たしたりといった会社自体の成長にも貢献していると感じることができます。

「事業計画及び成長可能性に関する事項」(https://ssl4.eir-parts.net/doc/9253/tdnet/2128496/00.pdf)より抜粋

戦略立案・プロマネ・リーダーシップ…全てを駆使して「成果に向かう」

RPとしての4年間を振り返って、ご自身の成長について伺いました。

一番成長を感じるのは「成果に向かう力」です。クライアントからの期待は明確に決まっている一方で、そこまでの道筋はその時の状況やクライアントの状態、時期によって戦略を立てつつも臨機応変に対応していく必要があります。また自分一人で考えて進められるものではなく、社内の力や知恵を借りたり、クライアントを巻き込んだり、多くの変数を扱うので、プロマネ、社内調整、コミュ力なども重要になります。時には泥臭く頑張る部分も含め、自分の持てる力を総動員して目的に向かって一つ一つ成果を積み重ねる感覚はかなりついたなと感じます。

上流から下流まで、ビジネスを俯瞰する

プロジェクトという枠にとらわれず、あくまでクライアントの「採用成功」を目指すことで必然的に養われたという「俯瞰力」とは。

もう一つ養われた部分は「ビジネスを俯瞰的に見る目」です。RPはクライアントへのサービス提供の最初から最後までを一番近いところで見ています。新卒採用事業部のビジネスプロセスの全容を理解し、どこに伸び代があるのかを俯瞰することができます。

例えば一クライアントの施策を、個別の案件として「とにかく頑張る」だけではなくGoodfind全体に働きかけをした方が貢献できるケースもあります。そんな時はまずGoodfindそのものを盛り上げるために新しい企画や取り組みをしませんかと社内に働きかけたりもします。

RPは当然クライアントのために目の前の施策の成功を目指していますが、その土台であるサービス自体に伸び代があるのであればそこに働きかけをするという手段をとることもあります。なのでサービス全体を俯瞰的に捉えることも仕事の一つだと思っています。そうした中で、どうしたらもっとクライアントに貢献できるかを施策やプロジェクトという枠にとらわれず考えるようになりました。もちろんそこにメンバーやリーダー等の立場の違いは関係ありません。

「本質的な採用支援」の先に見据える「新産業の創出」

ここまでクライアントとの深い関わりや成果にこだわる理由は、スローガンのミッションにあります。なぜなら、単に目標とする人数を採用するのではなく、企業が今必要としている才能を明らかにし、そのポテンシャルを持った学生とのご縁を生むことが企業の成長にもつながるからです。そしてこの「本質的な採用支援」を継続していくことは、スローガンが掲げるミッションの一部でもある「新産業創出」に近づくことにもなります。今後も新産業が生まれ続ける世界を目指し、人と企業を支援し続けていきます。

松尾 賢人ポテンシャルアクセラレーション事業部 クライアントリレーションズ - グロース部門 部門長

千葉県出身。私立市川高校卒業後、一橋大学商学部に進学。人材マネジメント専攻。学生時代、ゼミで経営者・社会起業家たちの話を聞く機会に恵まれ、自分も理念や信念を持って働きたいと思うようになる。就職活動中、偶然知ったGoodfindセミナーに参加した際に、スローガンが掲げる「人の可能性を引き出し、才能を最適に配置することで、新産業を創出し続ける」というミッションに共感し、入社を決意。マンガ、お笑い、散歩、お酒が好き。